代前半の頃、私はソリの合わない上司と、目前に迫っていた留学と、膨大な仕事量からノイローゼのようになっていた時期がありました。

こういう精神状態というのは怖いもので、自分ではおかしくなっていることに、なかなか気づけないのです。

そんなとき、妻が言った一言が、私をハッとさせたのでした。

「マンションを出たところに。花が咲いているのに、気づいた?」

私は、我に返りました。毎朝

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