今週のエッセイです。ぜひ読んでくださいね。
日本の明治維新は世界に胸を張れる社会変革であった。幕末維新の時に、幕府からイギリスに派遣された中村敬宇(正直)は、日本と同じ小さな島国のイギリスが、世界の4分の1を支配する隆々たる大英帝国を築いたことが不思議であった。
留学中はずっとその答えに至らず、たまたま帰国時にサミュエル・スマイルズの「Self Help」を読んで、この中に英国の秘密があったと狂喜乱舞した。
それを翻訳して『西国立志篇』(別訳名『自助論』)を出版したところ100万部を超える大ベストセラーとなった。
当時の読書人口を考えると信じがたい冊数が売れたことになる。冒頭の
‘Heaven helps those who help themselves’
「天は自ら助くる者を助く」