前編:森永乳業編>につづき、<後編:理想のリーダー編>をお送りいたします。

現在の安達さんのリーダーシップスクールでの取り組み方の根底にも、幼い頃から続けてきたバレエを通した出会いがありました。

安達さんの岩田スクールに対する鋭い意見にも、注目です。


安達芙由子(あだちふゆこ)

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森永乳業株式会社人財部 アシスタントマネージャー

東京都在住。名前の由来は沖縄を舞台にした灰谷健次郎作「太陽の子」。

大阪でクラシックバレエをはじめ、9歳の時に東京都練馬区バレエ団ピッコロ付属研究所入所。

16歳で同バレエ団ベルギー海外公演に参加。現在も同バレエ団所属。

大学卒業後、森永乳業株式会社に入社し、売掛金管理を主な業務とする管理センター勤務。

2006年から人財部に所属。現在は教育担当。女性活躍推進のための教育・制度企画の他、

創業100周年を迎える森永乳業の理念再策定プロジェクト「新たな夢共創プロジェクト」に

携わる。

https://www.morinagamilk.co.jp/corporate/csr/talk/

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<後編:理想のリーダー編>


バレエの先生が教えてくれたこと






ーいま、会社の一体感についてお話をいただきましたが、スクールの一体感についてはどう思いますか?

 

安達さん 一体感を求めている人と求めてない人がいて、バランスがバラバラだと思います。何か、見えないミッションのような、共通するものはある。でもそれが交換されていない感じがします。


ーおっしゃる通りかもしれません。これまでのインタビューを通してわかったことでもあるのですが、みなさん似たようなものをもっているから、一緒に高めあえて、心地よい仲間であると考えているメンバーが多いようです。みなさんが共有しているそれは、では一体何なのか、ということですね。ちなみに安達さんはどのようなものだと思いますか?


安達さん やはりそれは岩田先生がシンボリックであって、みんながその言語化できないところに集まってきているのではないでしょうか。そのシンボルを言語化することは難しいですが、岩田先生がこれ、と一言おっしゃれば、きっとすぐに共通概念になるのでは、と思います。



ー岩田先生との出会いはどのようなものだったのですか?


安達さん 私たちがお世話になっているワークハピネスさん

https://www.workhappiness.co.jp/cocokara/interview/97/)という会社があります。ワークハピネスさん主催の講演会にて、はじめて岩田先生のお話をお聞きしました。もともと岩田先生のことは尊敬しており、私の理想の経営者でした。理念体系を再考する今のプロジェクトの話が降りてきた時に、会社の先輩から『ミッション』の書籍をいただきました。それもあって、岩田先生にはご縁を感じ、スクールに入会しました。


ーちょうどミッションについて考える仕事を始めた時に著作と出会ったこと、もともと岩田先生をご存知だったことなど様々なことが重なって入会されたんですね。スクールの課題には、どのように取り組んでいますか?



安達さん かなり考えて取り組んでいます。課題をみてから様々な答案を何十通りも時間を書けて思い浮かべ、納得してはじめて書き始めます。私の場合、踊りが幼い頃からのアイデンティティなので、表現者でありたいという想いがあり、課題への回答もひとつの作品として、完成度のハードルは高く設定しています。でも、私の作品に責任を持って書く一方で、解釈の仕方は読む人に任せようという気持ちです。どういう反応があってもそれは是だと思っているし、作品をつくるスタンスとしてはそれがいいと思っています。解釈は、その人だけの持ち物なので。


ー考える過程、生み出す過程が安達さんにとって大切だということですね。


安達さん はい。作品に全精力を注がないと表には出しません。アーティストじゃないですけど、どうしてもこだわりが強くって、ある意味、それは我が強いだけだというところもある気がします。私の「好きな人や大事な人を幸せにする」というミッションのとおりに、相手の喜ぶようなことをしなきゃと思いつつ、自分のしたいようにもしたい、職人気質なんです。


ーこだわりをもって生み出したものが誰かの喜びになれば至上の幸せですね。


安達さん そうですね。それも岩田先生の ”「好きなこと」「得意なこと」「人のためになること」の重なる部分を追求すれば、自分が追求すべきミッションが見える” という言葉にハマるところですね。これに近い考えを、小さな頃からバレエの稽古場が育ててくれたのだと思います。それこそ、私のバレエの先生が理想のリーダーだったんです。


ーバレエの先生はどのようなリーダーだったのですか?


安達さん こんな人、とは言い切れないので、あるエピソードを紹介します。東京・池袋の東京芸術劇場のアトリエスペースで5人で踊る機会がありました。お客さまにお題の書かれたカードを引いてもらい、そのお題に対するお客さまの答えをテーマに即興で踊るという企画。

いらっしゃった先生が引いたお題は、「最近楽しかったことは?」。先生は間髪をいれずに「そりゃ毎日楽しいわよ、あなたたちがそんなに楽しそうに踊ってるんだから」と言ってくれたんです。


上手く言えないのだけれども、誰よりもチームのことを想い、理解し、前向きな気持ちにしてくれる先生のようなリーダーになりたい。そういうことをチームに言えるリーダーになりたいんです。あるときバレエの批評家が先生の作品のことを「全ての存在を肯定した演出になっている」と評しました。全員の個性をわかった上での配置、配役、振りにしている、と。それは仕事をするうえでも大切なことで、チームのメンバーの個性や強みを、マネジメント側が理解し、チームの成果につなげていくということに変わりありません。


ー「こんな人」ではなく、「あの人」、と言えるリーダー像を持っているんですね。きっと、そんなすてきな先生の意思を受け継いだ安達さんもどこかで、安達さんのようになりたい、と言われていると思います。


ーさて、本日安達さんにインタビューしているのには理由がありましたね。安達さんが前回のインタビュー記事で提案してくださった、「インタビューをリレー形式でやる」を実行してみることにしたからです。なぜ、そのような案を思いついたのですか?


安達さん まず、遠隔地とのコミュニケーションが密にやりきれていないという感触がありました。東京にいる我々は比較的集まりやすいので、グループもつい固まってしまいがちです。その分地方の方が疎外感を感じてしまっているのではないでしょうか。そこでどこにいても繋がりがある、という雰囲気があればよいと、インタビューリレーを思いつきました。


私からリレーが始まるということで、次はあえて遠い方にバトンを渡そうと思ってます。そうすれば人によっては、次は自分に回ってくるかも、と当事者意識をもって、地方でも都内でも、メンバーのことに関心が向いて、自然とコミュニケーションが生まれ、スクールを続けるモチベーションも出てくるのではないかと思います。ただ、これだけの人数がいるので、なかなかバトンを渡してもらえない人がでてきてしまうというところが不安ではありますが。ただ、次の方にも、なるべく距離の遠い方にバトンを渡していただきたいです。そうすれば各地にメンバーのいるスクールにも一体感が生まれると思います。


ーメンバーの方からの積極的な取り組みなので、きっとうまくいくと思います。これからは、私たち事務局だけではなく、みなさんが中心になってやりたいことができる、そんなコミュニティにしていきたいです。その手始めとして、安達さん発のリレーインタビューを始めていきましょう!本日は会社と、安達さんのミッションと、スクールに対する熱い想いをお話をしていただき、ありがとうございました!



聞き手:伊藤




ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。

メンバーインタビューは、これからみなさんスクール生の手に渡っていくことになります。


詳しいやり方など、みなさまのご意見をお聞きしながら、スムーズなバトンの受け渡しができるよう、事務局も尽力いたします。


どうかみなさま、安達さまとともに、スクールの新年度を彩る企画へのご協力をお願い致します!




<過去のインタビュー記事>



いつかは海外へ。|パーソナルトレーナーの五木田さん
会社も、家族もあきらめない。|経営者、そして4児の母、寺岡さん
明るく楽しく前向きに、エキナカを元気にする|津田さん
経験を積んだ者にも、学ぶ場があっていい。|日産の寺田さん